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過去へのタイムトラベルは可能か [雑感]

映画「君の名は。」の中で、主人公の魂が過去の時間に生きていた人と入れ替わるというのがありました。魂が入れ替わるというのは置いておくとして、これは過去へのタイムトラベルが起こったことになります。しかし、それは可能なのでしょうか?

おそらくできないだろうと多くの人は考えています。

時間や空間は観測する立場によって変わるということがアインシュタインの相対性理論からわかっています。例として浦島効果があります。太陽から放射されるさまざまな粒子は寿命が非常に短いものがあります。しかし大きな速度で飛んでくるため粒子内での時間の進み方が遅れた結果、地球の近くまで来るものがあります。

この現象を利用すると未来へタイムトラベルをすることができます。たとえば光速に近い速度で宇宙旅行をして地球に帰還すると、宇宙船の中では1年しか経っていなくても地球上では100年経っているということがあり得ます。

しかし、逆に過去に戻れるかとなると疑問です。方法がよくわからない上に、「親殺しのパラドックス」を解決しなければならないからです。

「親殺しのパラドックス」とは、たとえばAさんが自分が生まれる前の過去に行って、自分の親を殺したときにどうなるのか、という思考実験です。その場合、自分の存在もなくなるので、過去を変えてしまうのはできないのではないか、ということです。そう考えると、過去へのタイムトラベルは禁止される、という背理法の議論です。

ただ、これをクリアする考え方があります。それは、「過去から未来まで起こることはすべて決定済みである」という前提を設けることです。実は、漫画「ドラえもん」にはこの考え方が登場します。

のび太が道でサイフを落とす。帰宅してからそれに気づき、ドラえもんとともに取りに戻るが、すでにサイフがない。ふと遠くに目をやると、サイフを持って逃げ去る二人の姿があった。「それぼくのサイフ〜」と叫んでも逃げられてしまった。それではサイフを落とした時点に戻って、誰がサイフを持ち去ったのか確かめようということになり、のび太とドラえもんがタイムマシンで過去に行く。そこにサイフがあったので拾って帰ろうとすると、後ろから「それぼくのサイフ〜」と誰かから追いかけられたので急いで逃げた。

この例では未来から来たのび太とドラえもんが過去ですでに目撃されている。つまり未来に起こることは決まっている、ということになります。

もう一つはパラレルワールドです。パラレルワールド自体は存在することが確かめられています。ただし超ミクロの世界ですが。

高校で化学をやった人は電子雲という言葉を知っているでしょう。これは教科書レベルでは「電子はどこに存在するのかは確率的にしか言い表せないので、原子をもし顕微鏡で見たとしたら電子は雲のように見える」というようないい加減な説明がなされていました。実は、電子は同時に別々な点に存在するのです。つまり、同一時刻に電子がA点にある状態とB点にある状態が同時に共存するのです。それで、雲のように見えるというわけです。

電子を発射して細いスリットを通過させ、どの地点に到達するかというのを繰り返してカウントすると、あたかも電子が2個存在するかのような結果となります。これは電子がある場所を通る世界と少しずれた場所を通る世界とが同時並行で進行するためです。ところがスリット近くに観測機を置いて測定すると、電子は1個しかないような振る舞いをします。観測機を置いたことで、一つの世界が「選ばれた」のです。

これと同じで、過去を変えようとした場合と変わらなかった世界と変わった世界が同時並行で共存していくのではないかと考える見方があります。まあ、パラレルワールドは現在は素粒子レベルでしか観測されていないので無理がありますが。

他にも過去へのタイムトラベルを可能とするいくつかの考え方はあるようです。

どれが正しいのかは到底わかりません。私個人は過去に戻ることはできないのではないかと考えています。過去に戻るというのはロマンのある話ではありますが。