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サラリーマンには世の中のことはわからない [雑感]

少し挑発的なタイトルになりましたが、私の実感です。以下の内容は、サラリーマンと経営者はどのように考え方が違うか、ということについてです。

コストについての考え方

例え話から入りましょう。

田舎の駐車場付きコンビニはよく交差点の角にあります。時々見かける光景ですが、信号待ちを嫌がる車がコンビニの駐車場を通って目的の道路に入り、走り去ることがあります。しかし、これはコンビニにとって非常に迷惑な話なのです。そして、そのツケはやがて消費者にまわってきます。

世の中にある全てのモノは、時間とともに擦り切れ、傷んで、使えなくなっていきます。駐車場のアスファルトも同じです。いずれ改修や作り直しをしなければなりません。何ごとにも維持費がかかるのです。

維持費がある程度膨らめば、それはコンビニで売っている製品価格に上乗せされます。結局消費者に影響が及びます。「少しぐらいいいじゃないか」と思う人もいるでしょうが、その「少し」の蓄積が大きな影響を持つのです。

公共の場所にゴミを捨てるのも同じです。ゴミの掃除には人手が必要です。人を雇うには人件費が必要です。それもいろいろなものの価格に上乗せされます。

コンビニの駐車場で交差点のショートカットをすることは法律的にどうなのかはわかりませんが、以上の経済的理由から行うべきではありません。もちろん、駐車場内の交通量が増えることになるので、交通事故の危険も高まります。

もう一つ例をあげます。こちらは北海道大学のキャンパスの話で、報道もされました。

北海道大学は広大な敷地があり、ピクニックに最適な芝生もあります。私も北大には何度か行ったことがありますが、素晴らしい場所です。生まれ変わったらこの大学に通いたいと思う人は多いはずです。

しかし、幼稚園児の団体が芝生に入った結果、芝生が傷んでしまうため、北大では立ち入りを禁止しました。

この報道に対して多くの人が「大学はひどい」と言うと思いきや、意外にそうでもなかったので、日本人はまだまだ公共マナーが行き届いているな、と安心しました。

しかしやはりバカな人はいるもので、ある大学の先生がこんなことを言っていました。
「北大は国立で補助金を受けているんだから、芝生に立ち入らせることぐらいしろよ。ケチだな。」
発信者は社会福祉で有名な私立大学の先生でした。

これは「タダで利用できるものはすべて利用してやろう」という、サラリーマンの典型的な考え方です。いちどでも経営者を経験をした人ならばこのような発想はまずしないものなのです。なぜならば、経営者は私が上で述べてきたような「コスト」の考えを身にしみて知っているからです。私もサラリーマンから自営業者になったのですが、そのことによって、「公共の場できちんとふるまうことで経費を下げられる」と考えるようになりました。つまり公衆道徳を実行することはコストを下げることでもあるのです。経営者はサラリーマンと違ってコスト意識が徹底しているということです。

国家のあり方への関心

ふたつめは、サラリーマンと経営者の差は、政治や法律に対する心構えです。経営者はこれらへの関心がとても強いのです。

中でもとくに税制です。経営者は給料を計算し、自分の所得についても考えます。ですから、いまの税制はどうなっているのかについて熟知している必要があります。税制は国が決めますから、政治に対する感覚を研ぎすませて常に情報をサーチしなければなりません。その結果、選挙への関心も高くなります。

「野党は審議を拒否しているが、だとしたら本来の仕事をサボっていることにならないのか?それなら欠勤になって給料が減るのか?それとも届けを出して有給休暇にしているのか?」
などと考えてしまうわけです。

また、私のような免許事業の場合も、それに関する国の動きをチェックしておく必要があります。制度によって自分の収入が変わってくるからです。

これに対してサラリーマンは全部会社がやってくれますから政治への関心が薄く、選挙への投票率も低くなります。その結果、サラリーマンに不利で、経営者に有利な政権が出来上がるのです。

内部留保についての考え方

多くの人たちは、「企業内の内部留保を社員に還元しろ」と言います。政治家の中にもそういうことを言う人がいます。しかし、この主張には間違いがあります。

内部留保はいわば企業活動おいて収入から経費を差し引いたぶんです。個人で言えば、貯蓄だと思えばわかりやすいでしょう。

内部留保がなぜ必要か?という問いの答えは、個人において貯蓄はなぜ必要か?という問いに対する答えと同じです。将来のお金のかかるできごとに備えるためです。

企業が何もため込んでいないとすると、不景気になったときに乗り切る方法がありません。直接的には給与削減・人員削減とするしかないでしょう。経費の中で人件費は大きなウェイトを占めますから。

つまり、内部留保が十分あれば、不景気になったときに社員の首を切らずに済むのです。サラリーマンは内部留保を社員に還元せよと言いますが、実は内部留保が社員を守っているのです。このことも経営者の立場に立たないとなかなか実感できない点です。