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こんな薬剤師は困る [仕事]

以前聞いた話です。

私のところに通院していたある患者さんに対して、眠前薬としてエチゾラムを出していました。あるとき花粉症になったので内科に行きレボセチリジンを処方してもらいました。処方箋を持って薬局に行ったところ、薬剤師から

「レボセチリジンは眠くなるから、それを飲むときはエチゾラムは飲まなくていい」

と言われたそうです。

これを聞かされたとき、私は一瞬なにが起こったのかわかりませんでした。薬剤師が薬を止めろ、と勝手に指示したわけです。こんなことが許されるのでしょうか。

まず医学的に言えば、レボセチリジンで眠くなるのとエチゾラムで眠くなるのとではそのメカニズムが違います。つまり眠くなることの意味が違うのです。さらに、勝手にエチゾラムを抜くと、離脱症状が出る恐れがあります。

法律的な面から言うと、処方権は医師にありますから薬剤師が勝手に薬の変更はできないのです。この場合はまず薬剤師が私のところに連絡をして変更の許可を得るべきでした。これはどちらが偉いかという話ではなく、法に基づく仕事の順序なのです。

医師法には次のようにあります。

第一七条 医師でなければ、医業をなしてはならない。

医師は医業の独占業務資格なのです。処方は当然、医業の内容の一つです。

こういうことが起こるのは薬剤師が自分が偉くなったと勘違いしているためなのです。その原因は医薬分業政策にあります。

医薬分業になったのは薬剤師たちのロビー活動のおかげです。要するに「医者だけが儲けるのはずるい。俺たちにも分前よこせ」というわけです。その主張が功を奏したのは大手薬局チェーンや製薬会社が厚労省の天下りを受け入れることができるからです。

日本医師会は自民党への献金額は多いですが、医師会は零細開業医の集まりですから役人の天下りを受け入れることができません。ここが医師側がぱっとしない原因です。いくらお金をつぎ込んでも、総選挙で票を入れても、運営側である厚労省が言うことを聞いてくれないのです。

それで、このようなおかしなことが起こるのです。

医薬分業になったぶん、医療費全体が増えました。薬剤師の取り分が増えたからです。「かかりつけ薬局」なんていうおかしな言葉も登場しました。薬は医療機関が出せば良いのです。しかし、それができにくい健康保険制度に変わってしまったのです。

薬剤師がベンツに乗り、医者がプリウスに乗っている時代です。これから医者は落ちぶれる一方でしょう。

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