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「幻聴が止まらない」という相談に対して [仕事]

「幻聴が止まらない」という相談がネット上にありました(私が関係するサイトではありません)。

それに対するある人の答えは

  電磁波犯罪やテクノロジー犯罪などにあっている気がします。
  幻聴を聴かせる軍事技術が存在するようですよ。

ということでした。

精神医学の立場から見れば荒唐無稽な考えですが、実際には次のような例もあります。

米国である患者の幻聴について調査したところ、その人がラジオ放送局の近くに住んでおり、その放送が脳内で直接受診されている、という結論になったそうです。

ありうる推測としては、電界強度が非常に強いことから人体内で検波が行われてその信号が聴覚路のどこかに入ったということなのでしょう。一般に2種類の金属が接している部分が半導体として作用、つまり非線形素子(この場合はダイオード)として働く場合がありますから、人体内で同じように働く場所があるのかもしれません。まあ、ちょっと思いつきませんが。


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うつ病なのか、ストレス障害なのか。そしてサラリーマン。 [仕事]

「会社でパワハラに遭ってうつになった」
「残業が多すぎてうつになった」

という言い方をする人がいます。これは間違いです。

このような場合には

「適応障害」
「PTSD」

など、ストレスによる障害のカテゴリーに入る診断名をつけなければなりません。

企業の規模の大小にかかわらず、労働環境の悪い職場にはこのようなストレス性の疾患が発生します。

会社の産業医(多くは精神科医ではない)や保健師はうつ病とストレスによる障害を区別できず、何度も増悪を繰り返す社員がいるとリワークを命じたりします。しかしリワークでは会社の環境を改善することはできません。本人がリワークプログラムを終了しても勤務を再開すると症状が再燃するのです。

しかし、もっと根本的な問題として、私が日頃職場のストレスから受診される患者さんを見ていて思うのは、

「みんながみんなサラリーマンになる」

のは無理なんじゃないかということです。

戦前はみんな自営でした。国民の多くは農家、職人、商家などです。サラリーマンという会社や役所に務める人はごく一部のエリートだったのです。

しかし戦後、人々は景気や天候に左右される自営業を不安定なものとみなして、高度経済成長期にはサラリーマン志向が一気に高まったのです。

会社に適応できない人たち(いじめるほうも、いじめられるほうも)の多くは、少人数の自営業ならばおそらく問題にならなかった人たちなのです。

誰も彼もがサラリーマンになるという考え方は、改める時期に来ていると私は思っています。


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一流会社でありながら [仕事]

精神科の医者をやっていると会社内のストレスで調子が悪くなる人をたくさん診ることになる。ある程度の規模の会社ならば1人ぐらいおかしなやつがいて、被害を受ける社員も出てくる。しかしここで書くのは会社ぐるみで障害者を追い出そうとしている酷いケースである。

Aさんは20代前半である。大学を出てある会社に就職した。彼女には身体に障害があったが知的には全く問題なく、性格もよく優秀で、バリバリ仕事をこなしてきた。もちろん会社は彼女の障害を承知の上で採用したのである。

ところがある年の春、上司が異動して別の人になった;これがとんでもない奴で、彼女にとても処理できないような膨大な量の仕事を押し付け、自分は暇そうに遊んでいた。彼女の仕事が間に合わないと気分のままに怒鳴り散らし、彼女は次第にうつっぽくなっていった。

で、私の診療所に来たわけだが、もちろんうつ病ではなく、診断は適応障害。車で会社に近づくだけで吐き気がするとのことで、とりあえずは2か月仕事を休むことになった。

2か月後彼女は完全に回復したため復職可能の診断書を持たせて帰した。しかし会社側の反応は意外なものであった。

「産業医が診察した結果をふまえ、あと2週間自宅で毎日作文をして、そこにどうすればよりよく仕事ができるのかを書くこと。それを見た上で実際に復職可能かどうか判断する」
と言われたというのである。

彼女は毎日文章を書きづづけ、会社に持っていった。そこで言われたのは、

「具体的に書いていない。さらに2週間書き続けるように」

という返事だった。

今後の展開を読者諸君はもうおわかりだろう。その後も彼女は作文を持っていくたびにダメ出しをされたのである。そしてそれが延々と半年間繰り返された。彼女はそれが元でうつ状態が再燃してしまった。

私は呆れ果てて怒る気にもならなかった。全国的に有名な大会社である。こちらは診断書に就労可能であると書いているのに、まったくもって無視なのである。そして、実際にこういう目にあった患者さんは世間にたくさんいるのである。

ある会社が社員に対してひどい取扱をするのかどうかはその規模や知名度に全く関係がない。この会社は現在でもテレビでCMを打っているが、社員に対してはこのザマなのである。現在は若い人が就職してもすぐ退職してしまうことが多いと言われるが、その原因の多くは会社側にあるのだといえる。

現在の日本企業は実績主義になり、家族的な雰囲気を重んじる風土がなくなって実に味気なくなっている。米国のやり方を取り入れたのだろうが、逆に米国では旧来の日本式が良いと考える人が増えている。病気の社員が出たときに備えることはコストがかかるものだが、世の中には効率よりも大事なものがあるのではないだろうか。

付記:
私は今までブログを敬体の文章で書いてきましたが、今後はそれにこだわらないことにします。

さらに付記:
「ロミジュリについて書かないの?」という声があるかもしれませんが、後日書きます。申し訳ありません。


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こんな薬剤師は困る [仕事]

以前聞いた話です。

私のところに通院していたある患者さんに対して、眠前薬としてエチゾラムを出していました。あるとき花粉症になったので内科に行きレボセチリジンを処方してもらいました。処方箋を持って薬局に行ったところ、薬剤師から

「レボセチリジンは眠くなるから、それを飲むときはエチゾラムは飲まなくていい」

と言われたそうです。

これを聞かされたとき、私は一瞬なにが起こったのかわかりませんでした。薬剤師が薬を止めろ、と勝手に指示したわけです。こんなことが許されるのでしょうか。

まず医学的に言えば、レボセチリジンで眠くなるのとエチゾラムで眠くなるのとではそのメカニズムが違います。つまり眠くなることの意味が違うのです。さらに、勝手にエチゾラムを抜くと、離脱症状が出る恐れがあります。

法律的な面から言うと、処方権は医師にありますから薬剤師が勝手に薬の変更はできないのです。この場合はまず薬剤師が私のところに連絡をして変更の許可を得るべきでした。これはどちらが偉いかという話ではなく、法に基づく仕事の順序なのです。

医師法には次のようにあります。

第一七条 医師でなければ、医業をなしてはならない。

医師は医業の独占業務資格なのです。処方は当然、医業の内容の一つです。

こういうことが起こるのは薬剤師が自分が偉くなったと勘違いしているためなのです。その原因は医薬分業政策にあります。

医薬分業になったのは薬剤師たちのロビー活動のおかげです。要するに「医者だけが儲けるのはずるい。俺たちにも分前よこせ」というわけです。その主張が功を奏したのは大手薬局チェーンや製薬会社が厚労省の天下りを受け入れることができるからです。

日本医師会は自民党への献金額は多いですが、医師会は零細開業医の集まりですから役人の天下りを受け入れることができません。ここが医師側がぱっとしない原因です。いくらお金をつぎ込んでも、総選挙で票を入れても、運営側である厚労省が言うことを聞いてくれないのです。

それで、このようなおかしなことが起こるのです。

医薬分業になったぶん、医療費全体が増えました。薬剤師の取り分が増えたからです。「かかりつけ薬局」なんていうおかしな言葉も登場しました。薬は医療機関が出せば良いのです。しかし、それができにくい健康保険制度に変わってしまったのです。

薬剤師がベンツに乗り、医者がプリウスに乗っている時代です。これから医者は落ちぶれる一方でしょう。

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